「今日いくらで売れるのか」「手数料と必要書類は何か」「地金とジュエリーでどこが違うのか」を、公式ページの情報に沿って実務目線でまとめた記事です。
価格や取扱条件は変更されるため、来店前に必ず公式ページで最新情報をご確認ください。
まずは基礎:金買取の仕組みをやさしく理解
金の買取は基本的に、「相場 × 純度 × 重量」で決まります。相場は国際市場(ドル建て)と為替の影響を受けますが、田中貴金属の店頭価格は1gあたりで公表されるため、初心者でも計算しやすい設計です。
買取で重要な3要素です
- 相場:当日の「店頭買取価格(税込)」や「リサイクル価格/g」が基準になります。
- 純度(品位):K24/K18、999.9、Au750などの刻印で判断するのが基本です。
- 重量:地金は基本的に全重量が対象ですが、ジュエリーは宝石など付属物が除かれる場合があります。
純度表記の早見表です
| 表記例 | 純度の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| K24/純金/999(999.9) | 約99.9%以上 | 資産用地金は「999.9」刻印が多いです。 |
| K22 | 約91.7% | 海外コイン枠などで見かけることがあります。 |
| K18/Au750 | 75.0% | ジュエリーで最も一般的です。 |
| K14/Au585 | 58.5% | 海外ジュエリーで見かけやすいです。 |
| GP/GF など | メッキ・張りを示す表記です | 買取対象外になることが多いので注意が必要です。 |
ポイントです。「相場は同じでも手取りは同じ」とは限りません。実務上は手数料と対象重量の扱い(付属物の除外、他社製バーの減額など)が最終受取額を左右します。
田中貴金属の金買取サービスの特徴と向いている人
田中貴金属の「金を売る窓口」は、実務上大きく3系統に分けて理解すると迷いません。
① 資産用(地金・コイン)のご売却です。
田中貴金属の直営店や特約店で、地金・コインのご売却として取り扱われます。店頭買取価格を基準にしつつ、500g未満の地金には別途手数料が発生します。
② ジュエリー等の買取(RE:TANAKA)です。
RE:TANAKAは一般のお客様向けのジュエリー等のリサイクル買取です。リサイクル価格は鑑定料・手数料込みで公表されるのが特徴です。
③ 田中貴金属 総合口座の「現金化」です。
すでに田中貴金属 総合口座で預り金属を保有している場合は、現物を持ち込まずに「現金化」という形で売却できます。運用中の金を素早く換金したい人向きです。
どの窓口を選ぶべきか、早見表です
| 窓口 | 主な対象 | 価格の基準 | 手数料の考え方 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 地金・コインのご売却 | 金地金、プラチナ地金、金貨・プラチナコインなど | 店頭買取価格(税込) | 500g未満は別途手数料が発生します(合計重量基準) | 資産用金属を「相場どおり」に近い形で売却したい人です |
| RE:TANAKA | ジュエリー、工芸品、メダル等(貴金属部分) | リサイクル価格/g | 鑑定料・手数料込みの価格が公表されています | 刻印付きジュエリーを「明朗な単価」で換金したい人です |
| 総合口座:現金化 | 総合口座で預けている金・プラチナ・銀 | 口座の取引価格(ネット・店頭など) | 取引方法ごとに条件が異なるため、ガイドの確認が必要です | 現物を動かさずに売却したい人、積立分を計画的に現金化したい人です |
予約についてです。田中貴金属の直営店では、地金・コインとRE:TANAKAはいずれも予約を受け付けていない旨が案内されています。混雑時は整理券対応になることがあるため、時間に余裕を持つと安心です。
売る前の準備:必要書類・持ち物・事前チェック
初心者がつまずきやすいのは「価格」よりも、実は本人確認と支払い方法です。来店前に、次のチェックリストを埋めておくと当日がスムーズです。
10分でできる事前チェックです
- 売りたいものが地金・コインなのか、ジュエリー等なのかを切り分けます。
- 当日の単価を、店頭価格またはリサイクル価格で確認します。
- 500g未満の地金は、別途手数料を差し引いた「手取り」を計算しておきます。
- 100万円を超える可能性がある場合は、銀行振込前提で口座情報を用意します。
- 200万円を超える可能性がある場合は、マイナンバー提供が必須になるため準備します。
持ち物の目安(個人向け)です
| 状況 | 必要になるもの | 補足 |
|---|---|---|
| 原則(すべてのお取引) | 本人確認書類 | 本人確認書類の種類は、最新のお知らせで「3種類に限定」と案内されています。運転免許証・運転経歴証明書は日本国籍の方のみ対象の旨が明記されています。 |
| 売却代金を振込で受け取る場合 | ご本人名義の口座情報がわかるもの | 現金受取は上限(100万円)があるため、超えそうな場合は振込前提で準備しておくと安心です。 |
| 1回の個人売却が200万円を超える見込みの場合 | マイナンバー(個人番号)確認のための書類等 | 支払調書作成のため、マイナンバー提供が必須と案内されています。 |
| 代理人が売却する場合 | 委任状(実印)、印鑑登録証明書(3か月以内)、双方の本人確認書類など | 委任状はPDFで案内されています。お支払いは委任する方本人名義口座への振込のみとなるため注意が必要です。 |
注意です。本人確認書類はコピー取得が行われる旨が明記されています。書類の種類・条件は変更されることがあるため、当日は最新の公式情報に合わせて準備するのがおすすめです。
インボイス発行事業者の方へです。2023年10月1日以降、インボイス発行事業者は売却取引の際に登録番号が必要と案内されています。該当する場合は、登録番号が確認できる状態で来店すると安心です。
買取価格の見方:当日相場の確認と概算の出し方
田中貴金属で「いくらになるか」を見積もるときは、どの窓口(地金・コイン/RE:TANAKA)かで計算式が変わります。
地金・コイン(資産用)の場合です
- 本日の貴金属価格情報で「金:店頭買取価格(税込)」を確認します。
- 売却額の概算は
店頭買取価格 × 重量で出します。 - 地金が500g未満の場合は、別途手数料を差し引きます。
地金の売却にかかる別途手数料(500g未満)です
| 1件あたりの合計重量(品種別) | 買取1件あたりの別途手数料(税込) |
|---|---|
| 500g以上 | 不要です |
| 100g以上~500g未満 | 16,500円です |
| 50g以上~100g未満 | 8,800円です |
| 20g以上~50g未満 | 4,400円です |
| 20g未満 | 2,200円です |
例(概算)です。例えば金地金100gを売却する場合、店頭買取価格 × 100gから、上表の「100g以上~500g未満:16,500円」を差し引いて手取りを概算します。実際の金額は当日の価格と店頭での確認により確定します。
他社製バーを売る場合の考え方です
他社製バーの買取についてでは、買取対象ブランドが定められており、対象外ブランドは買取不可と明記されています。また、金地金は「999.9」の刻印がある場合は店頭買取価格で、それ以外は品位刻印995以上に限り所定金額を減額して買取する旨が案内されています。プラチナ地金は他社製の場合、店頭買取価格から所定金額の減額となります。
金貨・コイン価格の見方です
コインは重量(g)ではなく、コイン価格としてサイズごとに「店頭買取価格(税込)」が公表されます。プラチナコインは「プレミアム有」と「地金再生(プレミアム無)」で買取価格が分かれているため、どちらが適用されるかは店頭での確認が確実です。
RE:TANAKA(ジュエリー等)の場合です
- 最新のリサイクル価格表で、該当する品位(例:K18)を確認します。
- 概算は
リサイクル価格/g ×(貴金属部分の重量)で出します。 - リサイクル価格は鑑定料・手数料込みで、別途手数料はかからない旨が明記されています。
計量のルールです。RE:TANAKA お買取りの流れでは、宝石や付属品を取り外し、法定検査合格の特定計量器で0.01g単位で計量し、買取重量は0.1g単位に切り上げ算定すると案内されています。
「特定品」なら単価が上がる可能性があります
特定品についてでは、一定の条件を満たす対象品目を「特定品」として、通常より高い価格で買取する仕組みが説明されています。対象の代表例は次のとおりです。
- JRA/NARの馬蹄、円形(真円)のメダル、印材・印鑑(単純形状)です。
- 小判型レプリカ小判・大判、または小判型(楕円形)のメダルです。
- ホシエスマーク限定の純金カレンダー・カード、純プラチナカレンダー・カードです。
シミュレーションも活用できます。重量と品位が分かっている場合は、RE:TANAKA お買取金額シミュレーションで参考金額を事前に確認できます。
【STEP解説】店頭での買取の流れ(初心者でも迷わない)
ここでは「資産用(地金・コイン)」と「RE:TANAKA(ジュエリー)」を分けて、当日の動きをそのまま再現できる形でまとめます。
A. 地金・コイン(資産用)を売却する流れです
- 店舗を決めます。直営店・特約店で取扱が異なることがあるため、事前に店舗検索で確認します。
- 当日の単価と手数料を確認します。店頭買取価格と、500g未満の場合は別途手数料を確認します。
- 来店して申込書を記入します。地金・コインのご売却では「ご売却申込書」の記入が案内されています。
- 地金・コインの確認と価格確定です。製造ブランドや重量等を基準に沿って確認し、買取価格が確定します。他社製バーは対象ブランドや刻印条件により減額・買取不可となる場合があります。
- 本人確認と必要書類のコピー取得です。必要書類は店頭での本人確認の表に沿って準備します。
- 代金の受け取りです。個人は現金受取の上限が100万円で、超える場合は振込になります。振込手数料は自己負担となる旨が案内されています。
- 御計算書を保管します。御計算書は再発行できない旨が記載されているため、取引後は必ず保管します。
現金と振込の目安です。個人の現金受取は上限が100万円で、100万円を超える場合は振込となる旨が公式ページで案内されています。最初から振込を希望する場合でも、口座情報が分かるものを持参しておくと安心です。
B. RE:TANAKA(ジュエリー等)を売却する流れです
- 取扱店舗に持ち込みます。よくあるご質問で、郵送など店頭以外の買取は行っていない旨が明記されています。
- 刻印で品位を確認します。係員が目視で確認し、必要に応じて検査機器で品位を判定する旨が案内されています。
- リサイクル価格に基づく目安提示です。お買取りの流れでは、リサイクル価格は鑑定料・手数料込みで別途手数料がかからない旨が明記されています。
- 本人確認後、申込書に記入します。本人確認書類が必要です。
- 付属品を外して計量します。宝石等を外し0.01gで計量し、0.1g単位で切り上げ算定する旨が案内されています。外した宝石等は返却されます。
- 御計算書の受領と支払いです。現金は100万円が上限で、超える場合は振込になります。所要時間は約30分が目安と案内されています。
買取対象の確認です。RE:TANAKAは「デザイン・ブランド・石の価値は評価しない」旨が明記されています。ブランド価値が大きいジュエリーは、用途に応じて専門店との比較も検討すると合理的です。
失敗しないための注意点&よくある質問(FAQ)
最重要の注意です。田中貴金属は、電話や訪問による買取を行っていない旨が公式ページで注意喚起されています。最近は偽広告の注意喚起も出ているため、取引は必ず公式サイトから確認した上で店頭で行うのが安全です。
よくある質問
- 刻印がない(読めない)品物でも売れますか?
-
RE:TANAKAでは品位刻印の目視確認が基本ですが、正確な品位判定のための検査を行う旨も案内されています。混雑時は刻印がある品物を優先して対応する場合があるため、刻印が薄い場合は時間に余裕を持って相談すると安心です。
- GP(メッキ)やGF(金張り)は対象になりますか?
-
メッキ等は「品位が特定しづらいもの」に含まれ、買取不可となるケースがあります。迷う場合は、店頭で可否確認を行うのが確実です。
- 石付きジュエリーはどう扱われますか?
-
TANAKAでは宝石や付属品を取り外し、貴金属部分のみを計量して買取する旨が明記されています。取り外した宝石等は返却されますが、外せない場合や外す際に傷が付く可能性がある点は注意が必要です。
- 時計・メガネ・金歯などは売れますか?
-
TANAKAの案内では、時計・メガネ枠・金歯などは「品位が特定しづらいもの」に含まれます。ただし、付属品が除かれた貴金属部分のみの状態で品位が特定できれば買取できる場合があるとも記載されています。
- 外国の「通貨コイン」は買い取ってもらえますか?
-
TANAKAでは、円表記のある法定通貨や通貨の記載がある外国製コインは「買取できないもの」として例示されています。一方、田中貴金属が資産用として取り扱う金貨・コインは、地金・コインのご売却の枠組みで扱われるため、どの窓口に該当するかを先に切り分けることが重要です。
- 現金でもらえる上限はいくらですか?
-
田中貴金属の直営店では、個人の現金決済は100万円(税込)が上限で、超える場合は銀行振込になる旨が案内されています。振込手数料は自己負担となるため、金額が大きくなりそうな場合は事前に口座情報を用意しておくと安心です。
- 200万円を超えて売るとどうなりますか?
-
店頭での本人確認ページでは、1回の個人売却が200万円を超える場合は支払調書の提出対象となる旨が記載されています。さらに、田中貴金属からは「200万円を超える個人の売却取引ではマイナンバー提供が必須」というお知らせが出ています。スムーズに進めるため、該当しそうな場合は準備して来店するのがおすすめです。
初心者が損しないための実務ポイントです
- 「どの窓口か」を最初に確定すると、手数料・対象重量・必要書類が一気に整理できます。
- 500g未満の地金は別途手数料が固定額で乗るため、まとめ売り・分け売りで手取りが変わります。
- 他社製バーは対象ブランドかどうか、999.9刻印かどうかで条件が変わるため、先に公式ページで当たりを付けておくと確実です。
- ジュエリーは「石の価値を評価しない」設計のため、ブランド価値や宝石価値を重視する場合は専門店比較が有効です。
まとめ
初心者ほど「相場はどこも同じだから、店に行けば終わり」と考えがちですが、実務では手数料と対象重量の扱いが手取りを左右します。田中貴金属はルールを公開し、価格表も明確なため、まずは「地金・コイン」か「RE:TANAKA」かを切り分け、必要書類を揃えてから行くのが最短ルートです。価格そのものよりも手続きの確実性で失敗を防ぐという発想が、結果的に納得感の高い売却につながります。

