アルト買取の疑問のTOP5をまとめました。「査定額」が安く感じる理由、いつが一番高く売れる?車検は必要?年式や経年による減額は?修理は必要?

「大切に乗ってきたアルト、少しでも高く売りたい」
「でも、お店で売っている価格と、査定額になんでこんなに差があるの?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、スズキ・アルトのような軽自動車の買取価格には、プロだけが知る「明確なルール」が存在します。

この記事では、市場データを徹底的に分析し、「いつ」「どのような状態で」売れば損をしないのか、その秘密をわかりやすく解説します。知っているだけで数万円から十数万円の差がつくかもしれませんよ。

目次

1. なぜ?「お店の販売価格」より「査定額」が安い理由

中古車サイトを見ると「50万円」で売られているアルト。でも、買取査定に出すと「20万円」と言われてショックを受けたことはありませんか?

「ぼったくられているのでは?」と疑いたくなりますが、実はこれには構造的な理由があります。

価格差の正体は「見えないコスト」

あなたが手放した車が次のオーナーに届くまでには、たくさんのプロが関わり、経費がかかっています。

  • オートオークション手数料: USSなどの業者専門オークションに出品するための費用や陸送費(平均数万円)。
  • 商品化コスト: オイルやバッテリー、タイヤなどの消耗品交換、内装のクリーニング、外装磨きなどの費用。特にアルトのような低価格帯の車では、これら数万円の固定費が利益を圧迫するため、買取価格は慎重にならざるを得ません。
  • 在庫リスク: 車が売れるまでの間の管理費や、売れた後の故障保証のためのお金。

一般的に、買取価格は店頭販売価格の40%〜60%程度になることが多いのです。これは流通システムを維持するための必然的なコストといえます。

2. 「売り時」を逃さない! 高く売れる時期はいつ?

アルトは生活の足として需要が高いため、一年中同じ価格で売れるわけではありません。「売り手市場」のタイミングを狙いましょう。

狙い目は「1月〜3月」と「9月」

データ分析によると、以下の時期が最も高く売れやすいチャンスです。

  • 1月下旬〜2月中旬(最強の売り時): 4月からの新生活(就職・進学・転勤)に向けて、最も中古車が売れる時期です。お店側は「多少高くても在庫を確保したい」と必死になるため、交渉力がアップします。
  • 9月: 半期決算の時期であり、秋の転勤需要も重なります。お店が目標達成のために買取を強化するタイミングです。

避けるべき「損する時期」

逆に、4月〜5月は要注意です。3月の繁忙期が過ぎて需要が落ち込む上に、自動車税の通知が来るため買い控えが起きます。また、年末(10月〜12月)も年式が古くなる「年越し」を嫌うため、相場が下がりがちです。

アドバイス: 4月1日時点の所有者に自動車税がかかります。3月中に名義変更が完了するように売却するのが賢明です。

3. 車検は通すべき? 「車検前」vs「車検後」

「車検を通してから売った方が、高く売れるんじゃない?」
そう思う方も多いですが、結論から言うと「車検前に売る」のが圧倒的にお得です。

計算すればわかる「車検を通すと損をする」理由

車検が残っていることはプラス評価になりますが、そのアップ額は車検費用(重量税、自賠責、整備費などで6〜10万円)を下回ることがほとんどです。

【損益シミュレーション】

車検費用の出費: -80,000円
車検満タンによる査定アップ: +30,000円
——————————–
結果: 実質50,000円のマイナス

買取業者は自社工場などで安く車検を通せるため、車検切れの車でも問題なく買い取ってくれます。車検が切れる1〜2ヶ月前に査定に出すのがベストです。

4. 走行距離「10万キロ」と年式「10年落ち」の壁

アルトの価値は、あるポイントを超えるとガクンと下がります。それが「10万キロ」「10年」の壁です。

10万キロを超えると価格は半減!?

日本市場では「10万キロ=過走行」という心理的なハードルがあります。以下のデータを見てみましょう。

表:10年落ちアルトの走行距離別・買取相場イメージ

走行距離買取相場目安解説
4万〜5万km約28万円安定した価格がつきます。
8万〜9万km約29万円意外と高値維持。手放すならこのタイミング!
13万〜14万km約12万円10万kmを超えて価値が急落。
17万km以上約15万円底値圏。これ以上はあまり下がらない傾向。

もし現在の走行距離が9万キロ台なら、10万キロに到達する前に売却検討することをおすすめします。

古くても諦めないで!

15年落ちなどで国内での再販が難しい場合でも、アルトには「輸出需要」「資源価値」があります。

  • 海外輸出: パキスタンなどの新興国では、日本のアルトが大人気。日本では値段がつかない車でも高値で取引されることがあります。
  • スクラップ価値: どんなに古くても、鉄やアルミとしての価値があります。最低でも1〜3万円程度の値段がつくことが一般的です。

5. 傷やへこみは直すべき? プロの査定基準

「ボディに傷があるから、直してから査定に出そうかな…」
ちょっと待ってください! その判断、損をする可能性があります。

DIY修理は絶対にNG!

日本自動車査定協会(JAAI)の基準では、傷やへこみは厳格に減点されます。

  • ドアのA4サイズ以上のへこみ: 約5万円の減額
  • バンパーの擦り傷(小): 1〜2万円の減額

しかし、素人がタッチペンやパテで補修すると、プロから見れば「仕上がりが悪い」と判断され、「補修跡あり」としてさらに大きく減額されるリスクがあります。

また、修理工場で直しても、修理代以上に査定額が上がることはまずありません。傷はそのままで査定に出すのが鉄則です。

「修復歴」は正直に

事故などで骨格(フレーム)を修理した「修復歴車」は、相場より20%〜30%安くなります。隠してもプロにはバレますし、後々のトラブルになるので正直に申告しましょう。

まとめ:アルトを高く売るための5つのポイント

最後に、これまでの重要ポイントを整理します。

  1. 売るなら1月〜2月、または9月の需要期を狙う。
  2. 車検は通さず、切れる1〜2ヶ月前に売る。
  3. 「10万キロ」の手前で手放すのが得策。
  4. 傷やへこみは直さず、そのままの状態で査定に出す。
  5. 自分の車が古くても、輸出や資源としての価値があることを忘れない。

アルトは流通量が多い車だからこそ、市場のルールを知っているかどうかが結果に直結します。ぜひ、この情報を活用して納得のいく売却を実現してくださいね。

記事に掲載された買取価格は参考価格です。相場、状態により変わります。

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