季節の変わり目、大人は早々に冬物を着ますが、子供は・・・・?
まさにこんな光景が目に浮かびます。

子供の服装で共感された方は非常に多いのではないでしょうか?
寒空の下で半袖!?「子供は風の子」には驚きの科学的理由があった
今回は、なぜ子供が冬でも薄着で平気なのか、その驚きの理由を数字とともに解説します。
理由1:大人の3倍!驚異の「自家発電」能力
まず驚くのが、熱を作り出す力(基礎代謝)の違いです。 厚生労働省のデータなどをもとに、体重1kgあたりで「1日にどれくらいのエネルギー(熱)を作っているか」を比較すると、衝撃の事実が浮かび上がります。
- 大人(30〜40代): 約 21.5 kcal/kg
- 幼児(1〜2歳): 約 60.0 kcal/kg
なんと、子供は大人の約3倍ものパワーで常に発熱しているのです。 例えるなら、大人が省エネモードのエアコンだとしたら、子供は常にフルパワーで稼働している業務用のストーブのようなもの。じっとしていても、体の中からポカポカと熱が湧き出ている状態なのです。
理由2:背中に天然のヒーター「褐色脂肪細胞」を完備
人間の体には「褐色(かっしょく)脂肪細胞」という、脂肪を燃やして熱に変える特別な細胞があります。 実はこの細胞、年齢とともに激減してしまうのです。
- 子供の保有率: ほぼ 100%(しかも活性が高い)
- 大人の保有率(50代以降): 約 10% 以下
子供は首の周りや肩甲骨付近にこの細胞がびっしりとあり、寒さを感じるとスイッチが入って一気に体を温めます。 一方、大人の多くはこの「天然ヒーター」を失ってしまっています。子供が「寒くない」と言うのは強がりではなく、本当に背中がポカポカしているからなのです。
理由3:スタート地点が違う「体温」の高さ
そもそも、平熱の高さが大人とは違います。
- 大人の平熱: 36.6℃〜36.9℃前後
- 子供の平熱: 37.0℃〜37.5℃前後
子供は大人より0.5℃〜1.0℃ほど体温が高いのが普通です。 最初から体が温まっているため、外気の影響を受けて体が冷えるまでに「余裕」があります。大人が「寒い!」と感じる気温でも、子供にとっては「ちょっと涼しい」程度にしか感じていない可能性が高いのです。
まとめると・・・

結論:着せすぎは逆効果?「大人マイナス1枚」が正解
これだけの「熱の武装」をしている子供たち。 大人の感覚で心配して厚着をさせてしまうと、どうなるでしょうか?
高い発熱機能のせいで、すぐに暑くなり、大量の汗をかきます。そして、その汗が冬の冷たい風で冷やされ、結果的に*「汗冷え」で風邪をひいてしまう原因になります。
医学的にも推奨される冬の子供の服装の目安は、 「大人よりも一枚少なく」 です。
とはいえ、無理は禁物!このサインに注意
いくら寒さに強いとはいえ、限界はあります。以下のサインが出ていたら、すぐに上着を着せてあげてください。
- 唇が紫になっている
- ガタガタ震えている
- 鳥肌が立ちっぱなしである
まとめ
子供が冬に薄着なのは、「代謝が3倍」「天然ヒーター完備」「高体温」という、明確な科学的根拠がありました。
「風の子」たちは、私たちの想像以上にエネルギッシュです。 次に公園で半袖の子供を見かけたら、「寒そう…」と心配する代わりに、「すごい高性能エンジンを積んでいるんだな!」と温かい目で見守ってあげましょう。

