【2025年 釣具トレンド完全ガイド】 シマノ・ダイワ頂上決戦と賢いギア選びの方

目次

はじめに:2025年、釣具トレンドの潮流

2025年の釣具市場は、近年にない「当たり年」と呼べるかもしれません。特に注目すべきは、市場を牽引する二大巨頭、シマノダイワが、奇しくもオフショア(大物釣り)の最高峰モデルを同時に刷新したことです。

この「頂上決戦」は、単なる新製品の登場以上の意味を持っています。それは、ダイワの「POWERDRIVE DESIGN」や「エアドライブデザイン」、シマノの「インフィニティ」機構といった最先端の技術が、今まさにアングラー(釣り人)の「限界」を押し広げようとしていることの証左です。

2025年の市場を分析すると、トレンドは「フラッグシップ(最高峰モデル)の先鋭化」と「ミドルクラス(中価格帯)の高性能化」という二極化が鮮明になっています。最高峰モデルが「DRD」のような全く新しい機構を搭載して革新を追求する一方で、その数年前に開発された最先端技術が、今や2〜3万円台の製品群に標準装備され始めています。

つまり、2025年の道具選びは、「最新の革新に投資するか」、それとも「成熟した最先端技術の恩恵を賢く享受するか」という、明確な選択をアングラーに迫る年になると言えます。

この記事では、その頂点に立つ高価格帯の製品群から、アングラーの厳しい目で選ばれた「高評価」のアイテム、技術革新の恩恵が浸透した「総合バランス」に優れた製品群、そして購入前に知っておくべき「注意点」まで、2025年のフィッシングシーンを多角的に読み解いていきます。

【高価格帯】究極の性能と所有する喜び:フラッグシップという選択

ご要望の「値段が高い商品」について、その価格の「理由」と「価値」を深掘りします。これらは単に高価なのではなく、アングラーの夢を叶えるための技術的な回答が詰まっています。

2025年、オフショアの覇権を握る「二つの革新」

2025年最大のトピックは、ダイワ「25 ソルティガ」シマノ「25 ステラ SW」という、オフショアスピニングリールの両雄が同時にモデルチェンジしたことです。

ダイワ「25 ソルティガ」の挑戦

ダイワが打ち出したのは「POWERDRIVE DESIGN」という新たな設計思想です。注目すべきは、心臓部であるドライブギアの大型化(従来比約10%)と、18000番以上に搭載された新ドラグ機構「DRD」(ローラーパワーオシレーション)です。

この「DRD」は、従来のカーボンワッシャー式ではなく、金属ローラーの傾きと摩擦でドラグ力を発生させる「全金属製」の機構です。これは、マグロ類との長時間ファイトにおける「熱ダレ」や「固着」といった課題を、根本的に解決しようとする全く新しいアプローチです。この機構的優位性により、「従来比5倍以上の耐久性」を実現したとされています。

シマノ「25 ステラ SW」の成熟

シマノは、淡水・ショア用モデルで高い評価を得た「インフィニティ」機構を、ついにSW(ソルトウォーター)機に搭載しました。特に「インフィニティループ(超密巻き)」は、ラインがスプールから放出される際の抵抗を劇的に低減させ、キャスティング性能の向上に大きく寄与します。

これらのフラッグシップ機が提示する価値観は、単なる性能だけではありません。あるレビューでは、約13万円という価格に対し「年4510円で最高の状態が維持できる」とし、「良コスパリール」と表現されています。これは、フラッグシップ機が「消耗品」ではなく「長期保有資産」としてアングラーに認識されていることを示しています。

表1:2025 フラッグシップ頂上決戦:25 ソルティガ vs 25 ステラ SW

モデル名注目技術ドラグ機構スプール技術価格帯目安
ダイワ 25 ソルティガPOWERDRIVE DESIGN新型DRD (金属ローラー式)LC-ABS SW13万円前後
シマノ 25 ステラ SWインフィニティ機構ATDタフ (カーボンワッシャー)インフィニティループ (超密巻き)13万円前後

専門領域の「頂点」と、未来の「目」

フラッグシップの波はオフショアだけに留まりません。各ジャンルで「究極」を目指したモデルが登場しています。

シーバス(スズキ)フィッシング専用の最高峰、シマノ「25 エクスセンス」は、MGLローターによる「巻き始めの軽さ」とフルメタルボディの「剛性」を両立させています。テスターは「流れの変化やルアーの動き、シーバスがまとわりつく変化までも感じられる感度」と評しており、これはもはや「釣る」道具ではなく、「水中の情報を読み解く」ための高感度センサーと言えます。

また、バスフィッシングでは「25 アンタレス」が「MGLスプールⅣ」を搭載し、その「極上のキャストフィール」に磨きをかけています。他にも「25 セフィアリミテッド」(エギングロッド)や、「23 極鋭ヒラメ EX」(船竿)など、専門分野の先鋭化が進んでいます。

一方で、全く異なるアプローチの高価格帯製品も存在します。PowerVision の「PowerDolphin Explorer」は、136,670円(2025年8月時点)の水中ドローンです。

この製品の価値は、「投げられない超遠距離にも仕掛けを届けられる」という、従来の釣りの概念を覆す機能にあります。しかし、同時に「波が高い日や強風下では安定操縦が難しい」とも指摘されています。

これは高価格帯の製品を選ぶ上で重要な示唆を与えてくれます。リールのような「機械的」な道具への投資は、ほぼ確実に「性能の向上」に直結します。対して、ドローンのような「電子的」な道具への投資は、「天候や状況に左右される」という、アングラー側ではコントロール不能なリスクを内包している点に注意が必要です。

【高評価】アングラーが認めた「実力」:現場(フィールド)からのインプレッション

ご要望の「評価が高い商品」について、単なる人気ではなく、なぜアングラーがその道具を支持するのか、「生の声」を基に分析します。

なぜこのルアーは「釣れ続ける」のか

評価の高さは、時にメーカーの知名度や価格をも凌駕します。特にルアー(疑似餌)の世界ではその傾向が顕著です。

シーバスの世界では「Blue Blue」のルアーが依然として高い人気を誇り、「レガリア100LT」や新作の「バルスト90S」などが話題を集めています。また、バスデイの「オーディン130S」や「ハーデス127F」は、「圧倒的飛距離」「平均86mオーバー」という、数値で示される明確な性能(飛距離)が高く評価されています。

オフショアジギング(船からのルアー釣り)では、ハヤブサの「ジャックアイ サワラスピン」のようなサワラ専用ブレードジグや、タコ用の「ぷりぷりポルポ」、超小型エギ「セッピー 1.5号」など、ターゲットや状況を極度に絞り込んだルアーが、その専門性の高さから評価されています。

ただし、道具の評価と釣果が必ずしも一致しない点は、ルアー選びの面白さでもあり、難しさでもあります。あるジグのレビューでは、「飛距離や動きはとても良い」と道具の性能は評価しつつも、「自分のスキル不足でお魚さんからの反応はなく違いの判らない男となりました」と締めくくられています。高評価のルアーは、あくまでアングラーのスキルを引き出すための道具であることを示しています。

「買ってよかった」ロッドと、「合わなかった」ルアー

個人のインプレッション(使用感)は、時にカタログスペックよりも雄弁です。

あるユーザーは、「手にして良かった釣り具」の1位として「ST 85LML」というロッドを挙げています。その理由は「本当に便利」「今時期に最強に面白い」という、実体験に基づく汎用性と楽しさです。また、シマノの「エンカウンター S96M」は、「経験者も納得の性能」「最初の1本としてもおすすめ」と評され、初心者から上級者まで幅広く支持される「高評価」モデルの代表格です。

一方で、期待と実態が伴わないケースもあります。あるレビューでは、「2025年上半期 買ってみたけど微妙だったルアー」として、「小池サンダー」というワームが挙げられています。その理由は「3つ入りで1500円」という価格であり、その価格に見合う性能が感じられなかったという、コストパフォーマンスの不一致が原因でした。

結局のところ、アングラーからの「高い評価」とは、「期待値(価格や前評判)」と「実際の性能」のバランスが取れている状態を指します。「エンカウンター」は価格以上の性能を発揮したため高評価となり、「小池サンダー」は価格(期待値)に対して性能が追いつかなかったため、「微妙」という評価につながっています。

【総合バランス】価格と性能の「最適解」:賢者のためのギア選び

ご要望の「総合バランスが良い商品」として、2025年の市場で最も競争が激しく、技術革新の恩恵を最も受けた「中価格帯」の製品群に焦点を当てます。

2025年の「標準機」は、ここまで来た

前述の通り、2025年の釣具市場は「ミドルクラスの高性能化」が著しい年です。その象徴が、ダイワ「25 カルディア」シマノ「23 ストラディック」の存在です。

ダイワ「25 カルディア」

価格帯は2万円台前半から3万円台前半です。最大の注目点は、ダイワの最新技術「エアドライブデザイン」を搭載したことです。具体的には「ローター」「ベール」「スプール」の3要素を採用し、前モデルの強みであった「モノコックボディ」と融合させています。素材は金属ではなく「ZAION V」(カーボン樹脂)を採用することで、軽量性と高剛性を両立しています。

シマノ「23 ストラディック」

価格.comの人気ランキングで1位(2025年10月時点)を獲得するなど、市場の圧倒的な支持を得ています。実売価格は1万円台後半からです。このモデルは「フラッグシップモデルの先進フィーチャーを搭載して、飛躍的な進化」と謳われる通り、上位機種の技術(インフィニティクロスインフィニティドライブなど)を惜しみなく継承しています。

この2機種の比較分析から見えてくるのは、2025年の中価格帯リール選びの明確な選択肢です。それは、「(カルディアのような)最新の設計思想(エアドライブデザイン)による『操作性・軽さ』を優先するか」、それとも「(ストラディックのような)熟成された上位機種の『耐久性・巻き心地』を優先するか」という、二つの賢い選択です。

表2:総合バランスの最適解:25 カルディア vs 23 ストラディック

モデル名主要技術ボディ素材市場価格帯主な強み
ダイワ 25 カルディアエアドライブデザイン (3要素) + モノコックボディZAION V (カーボン樹脂)2.2万〜3.2万円最新設計による操作性と軽さ
シマノ 23 ストラディックインフィニティ機構CI4+ (カーボン樹脂) + (一部金属)1.5万円〜上位機種譲りの耐久性と巻き心地

最初の一台、あるいは「これで十分」という選択

「総合バランス」は、中級者だけの言葉ではありません。最初の一台こそ、バランスが重要です。

シマノの「セドナ」は、エントリーモデルながら「『巻き』の性能を磨いた」と評価されています。あるレビュアーは「これよりも安いモデルは見かけもそれなり」「高いモデルはハマってからでも遅くない」と述べ、セドナを「バランスが良い」と結論付けています。

これは、高価格帯の「ステラ SW」とは異なる、「道具としての必要十分な性能を、手の届く価格で実現する」という、もう一つの「良コスパ」の形です。

【注意点】購入前に知っておきたい「落とし穴」と「心得」

道具選びは、購入して終わりではありません。ご要望の「注意点」として、製品固有の懸念から、メンテナンス、市場の動向、そして最も重要な「安全」についてまとめます。

その道具、いつまでも大切に使うために(メンテナンスの心得)

特にソルトウォーター(海釣り)での使用後、メンテナンスは釣具の寿命を左右します。しかし、良かれと思った洗浄が、リールを破壊する原因になることがあります。

  • 最大の注意点(スピニングリール): 洗浄の前に、必ず「ドラグを目一杯締める」ことです。これを怠ると、ドラグ内部に水や塩分が浸入し、ドラグワッシャーのグリスが流れ出し、故障の最大原因となります。
  • 第二の注意点: スピニングリールの「メインシャフトに直接水が入ってしまう角度から洗浄しない」ことです。ボディ内部に水が溜まり、ギアやベアリングを錆びさせる原因になります。

基本は「水道水で流し洗い」し、タオルで水気を拭き取り、「日陰でよく乾かす」ことが鉄則です。

新技術の「光」と「影」(製品固有の注意点)

新しい技術には、必ず未知の側面や弱点が存在します。

25 ステラ SW」のレビューでは、「密巻きでのトラブルが未知数」と指摘されています。インフィニティループ(超密巻き)は、PEラインがスプールに食い込むトラブル(特に高負荷時)の可能性が、淡水用に比べて高いSW機でどう作用するか、まだ実証データが少ないのが現状です。

また、ハイテク機器の限界として、前述の「PowerDolphin」が「強風下では安定操縦が難しい」とされたように、最先端のガジェットほど、天候というアナログな要因に弱いという注意点があります。

あなたの「買い物」と「命」を守るために(市場と安全の注意点)

最後に、道具そのものではなく、私たちアングラーを取り巻く環境についての注意点です。

  • ① 安全(ライフジャケット): これが最も重要です。「自分の命を守るためのもの」です。釣具店で売られている3,000〜4,000円の安価なものではなく、ブルーストームの「トカラウ」のような、国の安全基準に適合した「桜マーク」付きの製品を選んでください。安価なものは経年劣化が早く、いざという時に機能しない可能性があります。
  • ② 市場(価格高騰): 2025年10月から、一般社団法人日本釣用品工業会が「標準伝票」の価格改定(値上げ)を行っています。これは、原材料費や物流費の高騰が釣具業界全体に及んでいることを示す間接的な証拠です。2025年は、新製品だけでなく既存の製品も価格が上昇する可能性があるため、購入のタイミングが重要になります。
  • ③ 詐欺(フィッシング): 2025年は、釣具関連のフィッシング詐欺にも注意が必要です。「大和証券(ダイワ違い)」をかたるものや、Amazonを装うものなど、巧妙な手口が報告されています。人気製品の「激安」といった謳い文句には、まず疑いの目を持つことが求められます。

おわりに:2025年、あなただけの「価値ある一匹」のために

2025年の釣具の世界を巡る記事も、そろそろ終わりです。

頂上決戦を繰り広げる「ソルティガ」と「ステラSW」。技術の民主化を象徴する「カルディア」と「ストラディック」。そして、釣りの概念そのものを変えようとする「水中ドローン」。

これらの道具は、私たちに新たな可能性を見せてくれます。しかし、あるアングラーが「スキル不足」を嘆いたように、道具はあくまでアングラーの意志を増幅するものであり、主役は私たち自身です。

最も高価な道具が、必ずしも最も楽しい釣りを提供してくれるとは限りません。「ST 85LML」のように、「本当に便利で面白い」と感じられる相棒を見つけること。そして、「ドラグを締めて」大切に手入れをし、「桜マーク」で安全を確保すること。

その先にこそ、2025年の、あなただけの「価値ある一匹」が待っているのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

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