2025年人気コスメ動向レポート:美の「正解」は一つではない。評価・価格・バランスで読み解く最新トレンド

目次

はじめに:2025年の美容トレンドを象徴するキーワード

皆様、こんにちは。美容雑誌の編集長として長年トレンドを追いかけておりますが、2025年の美容業界は、非常に興味深く、かつ重要な「分岐点」を迎えていると感じています。

「一つの正解」の終焉
かつては「ビビッドな赤リップ」や「くっきりとした太眉」といった、誰もが追いかける単一の大きなトレンドが市場を席巻していました。しかし、2025年はその様相が全く異なります。

例えば、同じ資生堂が、春夏には「青みカラーと繊細な輝き」を特徴とする透明感あふれる「星屑メイク」を提案しています。一方で、秋冬には「くすみカラーのレイヤード(重ねづけ)」によって生まれる、リラックス感を重視した「メロみメイク」を打ち出しているのです。

これは、私たち消費者が「流行に従う」時代から、自らの季節感やその日の気分、そして自身の個性に「合わせてトレンドを選ぶ」時代へと、成熟したことの何よりの証拠です。

最大の潮流:「ナチュラル&ヘルシー」という名の土台(キャンバス)作り
しかし、これら多様なメイクトレンドの根底に、太く、力強く流れている共通のキーワードがあります。それが、「ナチュラル&ヘルシーな美しさの追求」です。

これは、単に「薄化粧」を推奨するものではありません。私たちが本来持つ肌そのものの美しさ、すなわち「健康的な土台(キャンバス)」をいかに整え、慈しむか。その点に、消費者の最大の関心が移行していることを示しています。

この「土台重視」の潮流は、2025年のコスメ市場を分析する上で最も重要な視点となります。なぜなら、2025年のベストコスメ(ベスコス)の結果が、この潮流を明確に証明しているからです。

従来、ベストコスメの「顔」とも言える総合大賞は、ファンデーションやリップスティックといった、華やかな「メイクアップ」製品が獲得することが多くありました。
しかし、2025年上半期の結果を見てみましょう。@cosmeの総合大賞は「THE ANSWER」の「スーパーラメラシャンプー」(ヘアケア)であり、LIPSの総合大賞は「SHISEIDO」の「アルティミューン」(スキンケア美容液)です。

これは、美容業界において革命的な事態と言えます。「顔」を彩るアイテム以上に、「髪」や「肌」そのものの質を高める「ケア」アイテムが、消費者の最も熱狂的な支持を集めたのです。つまり2025年の私たちは、メイクで「隠す」あるいは「変身する」こと以上に、健康的な髪や素肌という「土台」を整えることに、最大の価値を感じていると結論付けられます。

この「土台(ケア)重視」と「メイクの多様化」という2つの大きな流れを踏まえ、ご要望のあった3つの切り口(評価・価格・バランス)と、トレンドを使いこなすための「注意点」について、詳細に分析してまいります。


第1章:【評価が高い商品】— 2025年上半期「ベストコスメ」受賞アイテム徹底レビュー

2025年の「評価」は、各メディアが発表したベストコスメの結果に如実に表れています。ここでは、主要なアワード(@cosmeLIPS美的.comDEPACO)の結果を統合し、「なぜ」それらが選ばれたのかを深掘りします。

総合大賞に見る今年の「絶対王者」たち

2025年のベストコスメを分析して見えてきた最も興味深い事実は、「絶対的な王者」が存在しないことです。かつてのように、一つの製品がすべてのアワードを席巻するのではなく、消費者の価値観によって「最高の評価」が3つの軸に細分化されました。

それは、「高機能ケア(日常価格)」「高投資ケア(信頼)」「高コスパケア(タイパ)」の3軸です。

1 高機能ケア(日常価格)の頂点:
@cosmeの総合大賞に輝いたのは、花王の新ブランド「THE ANSWER」の「スーパーラメラシャンプー」(1,760円)でした。シャンプーという日常的なアイテムが、数多の美容液やファンデーションを抑えて頂点に立ったこと自体が衝撃的です。これは「ラメラプラットフォーム技術」という、髪の根本構造にアプローチする「高機能」が、1,000円台という日常的な価格で手に入ることへの熱狂的な支持を示しています。

    2 高投資ケア(信頼)の頂点:
    LIPSの総合大賞は、「SHISEIDO」の「アルティミューン パワライジング セラム」です。こちらは高価格帯の美容液ですが、リニューアルによって「発酵カメリアエキス+」といった先端技術が搭載されました。長年愛されてきたブランドへの「信頼」と、肌の未来へ「投資」する価値が改めて評価された形です。

      3 高コスパ(タイパ)ケアの頂点:
      美的.comが報じた@cosme TOKYOの売上ランキング1位は、「ナンバーズイン」の「5番 白玉グルタチオンC ふりかけマスク」(1枚 290円)でした。これは「グルタチオンC」というトレンド成分を、低価格かつ短時間(タイパ=タイムパフォーマンス)で試すことができる点で、男女問わず支持を集めました。

        この3つの受賞結果は、2025年の市場が「何を一番重視するか」によって、評価の尺度が全く異なることを示しています。

        【2025年上半期 主要ベストコスメ 総合大賞 比較表】

        メディア総合大賞(または準ずる1位)カテゴリー価格(税込)選定理由(分析)
        @cosmeTHE ANSWER / スーパーラメラシャンプーヘアケア1,760円【高機能】「ラメラ技術」という専門性を日常価格で実現。
        LIPSSHISEIDO / アルティミューン パワライジング セラムスキンケア(美容液)– (高価格帯)【高投資】 先端技術とブランドへの信頼。肌の土台への投資。
        美的.com (売上1位)ナンバーズイン / 5番 白玉グルタチオンC ふりかけマスクスキンケア(マスク)290円/1枚【高コスパ/タイパ】 トレンド成分を低価格・短時間で試せる即時性。

        メイクアップ部門:デパコス編「完売続出の理由」

        デパコス(百貨店コスメ)のメイクアップ部門で高評価を得たアイテムには、明確な共通点があります。それは「スキンケア・ハイブリッド」と、まるで素肌がそのまま美しくなったかのような「生(なま)っぽい質感」です。

        リップ部門:
        圧倒的な強さを見せたのが「コスメデコルテ」の「ルージュデコルテ クリームグロウ」です。@cosme総合2位、LIPS総合2位、そして大丸松坂屋(DEPACO)の売上1位と、主要アワードを横断して高評価を獲得しました。
        その価格は5,500円とリップとしては高価格帯ですが、LIPSの口コミにある「ササっと塗ればシアーだし、2、3度 重ね塗りするとちゃんと色付く」という評価に象徴されるように、「上質なグロウ(輝き)」と「シーンに合わせてコントロール自在な発色」が、価格に見合う価値として認められました。

        ファンデーション部門:
        LIPSでリキッドファンデ1位を獲得した「ジバンシイ」の「プリズム・リーブル・グロウ・セラム・ファンデーション」(8,030円)は、その名に「セラム(美容液)」を冠しています。
        口コミでも「ツヤツヤ過ぎずマットでもない素肌っぽい仕上がり」と絶賛されており、私たちがファンデーションに求めているものが、単なる「色」や「カバー力」だけでなく、素肌を模倣する「高度な質感」であることが分かります。

        この結果から読み取れるのは、デパコスのメイクアップの価値定義がシフトした、ということです。消費者はもはや「色を買う」ためだけにデパコスを選ぶのではありません。「ナチュラル&ヘルシー」という土台を美しく見せるための「高度なテクスチャー」と、メイク中もスキンケアができるという「付加価値」に、対価を支払っているのです。

        メイクアップ部門:プチプラ編「デパコス越えの技術力」

        一方で、プチプラ(低価格帯)は、単なるデパコスの模倣では終わりませんでした。独自の技術とアイデアで、デパコスを凌駕するほどの評価を得ています。

        衝撃の総合3位:「&be ブラックスポンジ」

        2025年市場最大の事件の一つが、@cosme総合大賞で、数多の高額美容液やファンデーションを抑え、第3位に「スポンジ」がランクインしたことです。

        &be」の「ブラックスポンジ」(770円)がこれほどの支持を得た背景には、消費者のリテラシーの劇的な向上があります。
        「ナチュラル&ヘルシー」なトレンド肌、すなわち「素肌っぽい薄膜のツヤ肌」は、高価なファンデーションを指で塗るだけでは実現が難しい、高度な技術です。
        このスポンジが総合3位になったのは、私たちが「高価なファンデを1つ買う」ことよりも、「そこそこのファンデ+優れたツール」を組み合わせる方が、目指す肌に効率的にたどり着けると明確に認識した証拠です。これは、消費者のメイク技術がプロの領域に近づいていることを示しています。

        機能特化のプチプラ:
        プチプラは「安価な代替品」ではなく、「ある特定の機能(テクニック)に特化した専門品」として選ばれています。

        • @cosmeアイシャドウパレット1位の「ケイト」の「デザイニングブラウンアイズ」(1,320円)は、「目尻に影色を仕込む」というプロのテクニックを、誰でも簡単に実現できるパレットとして評価されました。
        • 同マスカラ1位の「キャンメイク」の「オフするんマスカラ」(990円)は、「超極細ブラシ」でありながら「水・汗・涙に強いウォータープルーフ」で、かつ「お湯で簡単にオフできる」という、高機能を圧倒的な価格で実現しました。

        スキンケア部門:高評価「肌投資」の最適解

        高評価のスキンケアは、「日中の防御」と「夜の集中ケア」で明確に役割が分かれる傾向にあります。

        高価格帯の「守り」:
        DEPACOの化粧下地・日焼け止め部門で1位、2位を独占したのは、「ポーラ」の「ホワイトショット セラムUV」(7,700円)と、「クレ・ド・ポー ボーテ」の「ヴォワールコレクチュールn」(7,150円〜8,250円)でした。


        これらは単なる日焼け止めや下地ではありません。「美白有効成分配合」や「クリームのような保湿力」を持つ「日中用美容液」です。日中の肌を「守りながら同時にケアする」という付加価値に、賢い投資が集まっています。DRAFT:

        中〜低価格帯の「攻め」:
        一方で、夜のケアは、特定の肌悩みに特化した「集中治療」アイテムが人気です。
        KANEBO」の「スクラビング マッド ウォッシュ」(毛穴・皮脂ケア)や、「トリデン」の「ダイブイン マスク」(集中保湿)、そして前述の「ナンバーズイン」の「ふりかけマスク」(くすみケア)などが代表格です。


        消費者は、日中は高機能な下地で肌を守り、夜は悩み別に特化したアイテムで攻める、という非常にメリハリの効いた投資を行っていることが伺えます。


        第2章:【値段が高い商品】— 投資する価値のある「逸品」デパコス

        ここでは、前章の「高評価」とは別に、「高価格」帯で注目されるアイテム、つまり明確な「投資価値」が求められる製品群を分析します。

        至高のベースメイク:8,000円超えの世界

        8,000円を超える高価格帯のベースメイクが売れるには、明確な理由があります。それは「圧倒的なスキンケア効果」と、それによって得られる「ブランド体験」です。

        前述の「ジバンシイ プリズム・リーブル・グロウ・セラム・ファンデーション」(8,030円)や、「クレ・ド・ポー ボーテ ヴォワールコレクチュールn」(7,150円〜8,250円)は、その代表格です。

        これら高価格ベースメイクの正体は、ファンデーションというよりも「色付きの高級美容液」です。
        私たちは、日中のメイク時間が8時間以上に及ぶことも少なくありません。消費者は、この長時間を「肌の負担」と捉えるのではなく、「積極的なスキンケアタイム」に転換したいという強いニーズを持っています。
        高価格なベースメイクは、まさにこのニーズに応えるものです。ジバンシイの「セラム・ファンデーション」や、DEPACOで同様に売れているNARSの「セラムクッションファンデーション」は、「メイクしながらスキンケア効果も期待できる」という安心感と、肌が疲れない満足感(=ブランド体験)を提供します。
        したがって、この価格は「ファンデーション代」に「日中用美容液代」が上乗せされたものと見なされ、合理的な投資として正当化されているのです。

        芸術のアイ&リップ:SUQQUとDECORTÉの美学

        高価格帯の色物(アイシャドウ、リップ)は、「機能」以上に「芸術性」や「ブランドの世界観」が価値となります。

        DEPACOのアイメイク部門で1位に輝いた「SUQQU」の「シグニチャー カラー アイズ」(7,700円)は、その美しい色の組み合わせはもちろん、「14 夕琥珀 -YUUKOHAKU」といった詩的なネーミングで、単なる化粧品を超えた「コレクションアイテム」としての地位を確立しています。

        また、全方位で高評価だった「コスメデコルテ」の「ルージュデコルテ クリームグロウ」(5,500円)は、全25色という圧巻のカラーバリエーションと、高級感あふれるパッケージデザインで、「所有する喜び」を満たしてくれます。

        これらは、日々のメイクを単なる「作業」から、心を整える「儀式」へと昇華させるための、心理的な投資と言えるでしょう。

        2025年新作・限定品ウォッチ(秋冬~クリスマス)

        高価格帯市場の熱狂を牽引するのは、いつの時代も「限定品」です。消費者は「今しか手に入らない」という希少価値に、強く惹きつけられます。

        2025年も、この新作・限定品ラッシュは続きます。1月には「THREE」や「ETVOS」が春のコレクションを発表し、8月には「FAS」「RMK」「HERA」といった注目ブランドが秋の新作を投入します。

        特に注目すべきは、例年10月に発売が予測される「クレ・ド・ポー ボーテ」のクリスマスコフレです。毎年、美術館の所蔵品のような芸術的なデザインで話題となるこれらのアイテムは、まさに「高価格帯」の投資価値を象徴する存在として、今年も市場を大いに盛り上げることが予想されます。


        第3章:【総合バランスが良い商品】— 賢く選ぶ「高コスパ」名品

        「総合バランス」(コストパフォーマンス)の定義は、2025年、大きく変わりました。単に「安い」ことではなく、「価格に対して、いかに高い専門性や価値を持っているか」が問われるようになっています。

        300円から始める「本気の透明感ケア」

        2025年の「高コスパ」を象徴するのは、300円以下で手に入る「高機能シートマスク」です。

        美的.comの売上ランキングで1位となった「ナンバーズイン」の「5番 白玉グルタチオンC ふりかけマスク」(290円)や、同3位の「トリデン」の「ダイブイン マスク」(275円)が、その筆頭です。

        ここから見えてくるのは、「高コスパ」の新しい形、すなわち「トレンド成分のお試し」という消費行動です。
        「グルタチオン」や「高濃度ヒアルロン酸」といった成分が話題になっても、数千円から1万円以上する美容液のボトルをいきなり購入するのは勇気がいります。
        しかし、1枚300円のシートマスクであれば、その成分が自分の肌に合うか、トレンドを気軽に「試す」ことができます。これは、美容トレンドの移り変わりが激しい現代において、リスクを最小限に抑えつつ、トレンドの恩恵(と「肌トーンがグッとアップする!」という即時的な効果)を享受できる、最も「総合バランス」に優れた賢い消費の形です。

        2,000円台で選ぶ「高機能」スキンケア&ヘアケア

        かつての「高コスパ」が「保湿も美白もできるオールインワンジェル」だったとすれば、2025年の「高コスパ」は「一つの悩みに特化した専門美容液」です。ドラッグストアが、さながら「専門クリニック」のように進化しています。

        • クオリティファースト」の「ダーマレーザー ウルセラC」は、2,000円台でありながら「毛穴ケア成分を種類豊富に配合」しており、「毛穴ケア美容液」として高い評価を得ています。
        • トリデン」の「ダイブインセラム」は、2,420円で「ヒアルロン酸セラム」という「保湿」に特化した機能を提供します。
        • そして、@cosme総合大賞の「THE ANSWER」の「スーパーラメラシャンプー」は、1,760円で「ラメラ構造」という髪の根本技術にアプローチします。

        これらは全て、高価格帯の製品が持つような「高い専門性」を、2,000円前後という驚くべき価格で実現した、「高バランス」製品の代表格です。

        【編集部推薦:高コスパ(総合バランス)アイテム一覧】

        カテゴリー商品名価格帯(税込)総合バランス選定理由
        ヘアケアTHE ANSWER / スーパーラメラシャンプー1,760円@cosme総合大賞1位。「ラメラ技術」という高機能を日常価格で実現。
        シートマスクナンバーズイン / 5番 白玉グルタチオンC ふりかけマスク290円/1枚トレンドの「グルタチオン」成分を低価格で試せる、賢い「お試し消費」の代表。
        美容液クオリティファースト / ダーマレーザー ウルセラC2,000円台2,000円台で「毛穴ケア」に特化した多種多様な成分を配合。専門性の高さが魅力。
        メイクツール&be / ブラックスポンジ770円@cosme総合3位。トレンドの「薄膜ツヤ肌」を実現する必須ツール。投資対効果が抜群。
        アイシャドウケイト / デザイニングブラウンアイズ1,320円@cosmeパレット1位。「影色を仕込む」というプロの技術をパレット化。
        マスカラキャンメイク / オフするんマスカラ990円@cosmeマスカラ1位。「WP」と「お湯オフ」という相反する高機能を1,000円以下で両立。

        ベスコス受賞の「ドラッグストア・メイクアップ」

        上記の表にもある通り、「KATE」の「デザイニングブラウンアイズ」や「キャンメイク」の「オフするんマスカラ」は、総合バランスの観点からも最強のアイテムです。

        これらが支持される理由は、もはや「安いから買う」のではありません。「この機能(例:お湯オフなのにウォータープルーフ)が欲しいから買う」のであり、その価格がたまたま安かった、という「価格破壊」的なバランスを持っている点にあります。

        総合バランスを求めるのであれば、まずは今年のベストコスメで「プチプラ部門1位」を獲得したアイテムから試すのが、2025年の最も賢い正解と言えるでしょう。


        第4章:【注意点】— 2025年トレンドを「自分らしく」着こなす方法

        トレンドは、そのまま取り入れると「流行遅れ」や「不自然」に見えてしまう危険性をはらんでいます。ここでは、2025年の主要トレンドを「自分らしく」着こなすための「注意点」と、その解決策を解説します。

        2025年 2大トレンドメイク「星屑メイク」「メロみメイク」徹底解説

        まず、今年注目の2つのトレンドをおさらいしましょう。

        • 春夏の「星屑メイク」とは:
          資生堂が提案する、春夏のトレンドです。「青みカラー」と「繊細な輝き(ラメ感)」が特徴で、クールな透明感ときらめきがポイントとなります。
        • 秋冬の「メロみメイク」とは:
          同じく資生堂が提案する、秋冬のトレンドです。「メロウ(心地よい、柔らかい)」な雰囲気を纏うメイクを指します。
          このメイクの鍵は、「低彩度(くすみカラー)」を「レイヤード(重ね塗り)」することです。例えば、ピンクのアイシャドウの上にグレーのアイシャドウを重ねることで、主張しすぎない柔らかな陰影を生み出します。

        トレンドの「くすみカラー」と「青みラメ」使いこなし術

        これらのトレンドには、大人が取り入れる際に注意すべき点があります。

        【注意点①:ラメ(輝き)の「置き場所」】
        春夏の「星屑メイク」で使うような「青みラメ」は、大人の女性がまぶた全体に塗ってしまうと、90年代のメイクのように古臭く見えたり、まぶたのくすみやシワをかえって拾ってしまったりする危険があります。

        • 解決策: 資生堂のアーティストも「大人世代はラメが悪目立ちしてしまうことも」と指摘しています。正解は「下まぶたに上品なラメを取り入れる」こと。目線を下げることで、派手さではなく、まるで瞳が潤んでいるかのような上品なきらめきを演出できます。

        【注意点②:「くすみカラー」と「眉」のバランス】
        秋冬の「メロみメイク」で使う「くすみカラー」は、目元に深みを与えますが、一歩間違えると顔全体の印象を「ぼんやり」させてしまう危険があります。

        • 解決策: かといって、ここで眉だけをいつものようにしっかり描いてしまうと、「眉だけが悪目立ちする」という逆効果に陥ります。正解は、アイメイクに合わせて眉も「柔らかな印象」で仕上げ、顔全体のトーンを合わせること。抜け感を保つことが重要です。

        【注意点③:質感の「コントラスト」】
        2025年のトレンドメイクを成功させる最大の鍵は、「質感のコントラスト」にあります。

        • 「メロみメイク」の解説を見ると、「シルクのようなセミマット肌」に「ふっくらつやリップ」を合わせる、とあります。
        • また、韓国コスメのトレンド解説では、「シマー(きらめく)アイシャドウ」と「マットリップ」のコンビネーションが注目されています。

        ここから導き出される重要なルールは、「全てをマット」あるいは「全てをツヤ」にしないことです。肌がセミマットならリップはツヤに、目元がシマーならリップはマットに、というように、顔のどこか一箇所で質感を「裏切る」ことこそが、2025年らしい洗練されたバランスを生む秘訣です。

        「ナチュラル&ヘルシー」の落とし穴:成功の鍵は「肌の土台」と「質感」にあり

        最後に、2025年最大のトレンド「ナチュラル&ヘルシー」についての、最も重要な注意点に触れます。

        【最大の注意点:「ナチュラル」=「手抜き」ではない】
        「ナチュラル&ヘルシー」は、2025年最大のトレンドであると同時に、最大の「落とし穴」でもあります。
        このトレンドは、メイクを「しない」ことでは決してありません。むしろ、「メイクが最小限で済むように、土台(肌)を完璧に整える」という、最も時間とコストがかかるスタイルなのです。

        この難易度の高いトレンドを成功させる鍵は、以下の3点です。

        1. 内側からのケア: このトレンドを完璧に取り入れるには「肌そのものの状態を整えることが不可欠」です。耳の痛い話しかもしれませんが、適度な運動、バランスの取れた食事、良質な睡眠といった日々の「セルフケア」が、最終的なメイクの仕上がりを左右します。
        2. スキンケア投資: 「SHISEIDO アルティミューン」のような高評価の美容液や、「ナンバーズイン」のような高機能マスクで、肌の土台を日々整えることが前提となります。
        3. 「薄膜」技術: ファンデーションは「重ねすぎない軽やかな仕上がり」が必須です。「&be ブラックスポンジ」のような優れたツールを使い、保湿力の高いプライマーの後に、ファンデーションを「薄く均一に」広げるテクニックが求められます。

        これが、本レポートの結論にもつながります。
        なぜ2025年のベストコスメで「ケア製品」(シャンプーや美容液)が総合大賞を独占したのか。それは、メイクのトレンドが「ナチュラル&ヘルシー」へと移行したことで、メイクを美しく見せるための「優れた土台」が、何よりも重要になったからです。
        だからこそ、私たちは2025年、「メイク」製品以上に、「土台」を整えるための「シャンプー」や「美容液」を最も高く評価したのです。この2つの事象は、完全に連動しています。


        おわりに:明日からのコスメ選びのために

        2025年のコスメ市場は、私たちに「あなたの美しさの『正解』は、あなたが決めてください」と、優しく、しかしはっきりと語りかけているようです。

        SHISEIDO」や「SUQQU」のような「高価格」な逸品で心を満たす日。
        KATE」や「ナンバーズイン」のような「高コスパ」品で賢くトレンドを取り入れる日。
        そのどちらも、2025年のあなたの「正解」です。

        ただ、どのようなメイクを選ぶ日であっても、その仕上がりを最終的に左右するのは、皆様ご自身の「土台」——すなわち、ご自身の肌や髪の健康です。この「土台」への関心は、もはや一時的なトレンドではなく、私たちのスタンダードとなりました。

        皆様ご自身の「土台」を慈しみ、その上に「星屑」や「メロみ」といった美しい色彩を楽しみながら、2025年をより一層輝かせるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

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